暦 その7

  〜初期型ユリウス暦の導入〜




現代人は当然、一年がおよそ365日あると知っている。
それは実際の事であり、まごう事なき真実。
事実、古代エジプト時代では
一年を360日とし、最後に閏として5日を加え
365日で運用していた。







しかし、これまで見てきた
ロムルス暦」(1年=304日と約60日)や「ヌマ暦」(1年=355日)では
明らかに1年の日数が足りていない
これでは、暦の季節と、実際の季節とに狂いが生じるのは道理。



そこで、この事態を解決すべく
紀元前46年、ユリウス・カエサル*1により、
ユリウス歴が制定された。




一年は12ヶ月、365日。
4年に一度閏年があり、2月の日数を増やし366日となる。
この暦の精度は2回目で記述した*2とおり。
月の名前は基本的に「ローマ暦」と同じ。
事実を忠実に再現しようとした
素晴らしい暦法にございます。


だが、しかし
暦の改正のみで止まらないのが人の世。
この偉大な改革の実績を、後生に名を残そうとするのが世の常。



はたして、2年後の紀元前44年ユリウス氏が亡くなると、
その彼の偉業を記念して、彼の誕生日があった7月(『Quīntīlis』)を
ユリウスさんの名前にしてしまったのである。




つまり、初期のユリウス暦は下記のとおりであった。



・1月(31日) 『Jānuārius(ヤーヌアーリウス)』  
・2月(29日) 『Februārius(フェブルアーリウス)』  
・3月(31日) 『Martius(マルティウス)』        
・4月(30日) 『Aprīlis(アプリーリス』            
・5月(31日) 『Māius(マイユス)』        
・6月(30日) 『Sextīlis(セクスティーリス』    
・7月(31日) 『Julius(ユリウス)』
・8月(30日) 『Sextīlis(セクスティーリス)』          
・9月(31日) 『September(セプテンベル)』            
・10月(30日) 『Octōber(オクトーベル』              
・11月(31日) 『November(ノウェンベル)』           
・12月(30日) 『December(デケンベル』     

注:太文字部部は現代と異なる所。





    これが現代、グレゴリオ暦に通じる、ユリウス暦の導入である。



……To Be Continued その8へ続く

*1:「Gaius Iulius Caesar」英語読みで「シーザー」さん

*2:400年たつと3日進む