暦 その3
〜月の呼び方〜
その2で既にご理解いただけただろうが
現代の暦とは西洋文化
とりわけローマの影響が色濃く残す。
ローマの文化と言えば神話。
ローマ人は神話を自らの「歴史」に置き換えたと言っても過言ではないほど
神話を自らの生活に取り込んでいた。
彼らの語り継いだ「ローマ神話」。
その神々の名は、天体名や曜日名などに取り入れられていった
そして、勿論月名も例外ではない。
大抵の月名は、ローマの神の名を冠する。
西洋の暦の歴史をさかのぼると
であったと言う点からも、ローマ時代の影響があることが読み取れる筈だ。
以上をベースに以下内容を読んで頂きたい
<1月> January
旧年が過ぎ去り、新たな年が始まる1月。
扉の神(すなはち出入り口の神)たるヤヌス神(《英表記》Janus)から付けられた。
31日まであり、いわゆる「大の月」である。
<2月> February
Februaryはフェブルゥス (《英表記》Februus) をまつる祭りから取ったと言われている。
平年は28日まで。
閏年には29日まである。
元来より、気にはなっていたが2月だけが
他の月と違い28(閏は29)という中途半端な数字で一ヶ月を締めくくる事に疑問があった。
今回の暦の調査で、由来が解ったので次回以降に述べたいと思う。
<3月> March
第3番目の月 3月。
Marchはローマ神話のマルス(《英表記》Mars)の月 「Martius」 から名付けられた。
大の月なので31日ある。
<4月> April
第4番目の月 4月。
Aprilは、美の女神ウェヌスのラテン語表記「Aprilis」からきていると言われる。開く」を意味するaperireに由来するという説もある。
小の月で30日。
余談だが、4月は7月と同じ曜日で始まるらしい。
閏年は1月と同じ曜日ではじまるとか。
ふ〜ん
<5月> May
第5番目の月 5月
Mayは豊穣を司る女神マイア(《英表記》Maia)の名を由来とする。
大の月で31日
<6月> June
第6番目の月 6月。
Juneはジュピター*1の妻ユノから取られ名付けられた。
ユノは結婚生活の守護神。
『6月の花嫁(ジュンブライド)は幸せになる』というのはこの為である。
日本では梅雨真っ盛りなので、微妙な季節なんだけど……
小の月で30日
<7月> July
第7番目の月 7月。
Julyは、これまでと違いローマ神話の神の名からきた呼び名ではない。
実際、ユリウス暦以前のローマ暦では7月にあたる名称は「Quīntīlis(クィーンティーリス)」。
これはユリウス暦を導入した政治家ユリウス・カエサルが
ユリウス暦を採用した際、7月の名称を自分の家門名に変更した為である。
大の月で31日まである。
<8月> August
第8番目の月 8月。
実際の人物名が由来となる月はたった2つ。
7月と8月がそれにあたる。
Augustはローマ皇帝「Augustus(アウグストゥス)」が名付けた。
誤って運用されたユリウス暦を訂正→修正をし
彼自身の名に8月の呼び名を変更した。
幾人のもローマ皇帝が自らの名を冠した月に呼び名を変えたが、
皇帝の死後は元の呼び名に戻されたという経緯の中
唯一そのまま使われ続けた月でもある。
いくつもの戦争に打ち勝ち、混乱したローマを平定したアウグストゥス。
彼の力はこんな所でも垣間見える。
大の月で31日まである。
<9月> September
第9番目の月 9月
Septemberはラテン語読みで「セプテンベル」と読み「7番目の月」という意味である。
実際の月とずれているのだが
今回はその理由は次回に詳しく記する。
小の月で30日まである。
<10月> September
第10番目の月 10月
Octoberはラテン語読みで「オクトーベル」と読む。
意味は「8番目の月」である。
これも2ヶ月ずれてますね。
詳細は次回に(笑)
大の月で31日まである。
<11月> November
第11番目の月 11月。
Novemberはラテン語読みで「ノウェンベル」と読ます。
察しの通り意味は「9番目の月」。
詳細は(以下略)w
小の月で30日まである。
<12月> December
第12番目の月 12月。
Decemberはラテン語では「デケンベル」と発音する。
当然「10番目の月」の意味するのである。
大の月で31日まである。
余談だが、12月1日はその年の9月1日と同じ曜日になる。
ここにきて、意味と実際の月が異なる事がわかったとおもう。
その理由を説明するには
ユリウス暦以前にローマで使われていた暦
すなわちローマ暦について話さなければならない
次回はローマ暦についてです。
……To Be Continued その4 へ続く