国道425号


日本三大酷道というのがございまして
八百津町−恵那の通行止めがあまりにも有名なキングオブ酷道418号、
四国のヨサクこと439号、
そして紀伊半島の425号です。


1982年4月に林道を含む道路が酷道に昇格し425号となった。
三重県尾鷲市(おわせ)から和歌山県御坊市を結ぶ約195kmの国道である。
地図を見れば東西に横断しているため、紀伊半島をショートカットできる などと安易に思ってはいけません。
距離は長くなるが紀伊半島をグルリと回る国道42号を走る方が確実に所要時間が短く安全である。
理由としては、2車線が確保されれているのは他の国道との重複区間か、和歌山県御坊市付近だけで、
ほとんどが離合のしづらい狭隘路だという事。
グネグネとしたブラインドカーブが連続で続くため速度は上げられず、
路肩には落石や落ち葉が堆積し、道路が部分的に崩落している箇所も幾つかある。
疲れて休憩しようにも沿線にコンビニは一切無い。
飲食物は事前に用意するのが無難である。
ガソリンもまた然り。
スタンドが無くもないが、営業しているとは限らない。しっかり給油してから望むべき。
また、携帯電話が通じるところは少なく(基本的に圏外)、公衆電話も一切見あたらなかったので
何かあった時の事を考えると2人以上の行く方がよいと思う。
(私はひとりでしたが…)
ちなみに、私の場合は三重県尾鷲市を9時40分頃にスタートして、和歌山県御坊市についたのが17時20分頃。
約7時間40分かけておよそ195kmを走りました。平均時速約25km/hといったところですね。



重ねていいますがこの酷道の特徴は区間が異常に長いこと。
全線走破には最低でも8時間を見るべきです。
工事による時間制限のある通行止もありましたしね。
悪天候時や長期にわたって雨が降り続いた後などに行くと本当に死にかねません。
(実際土砂崩落に巻き込まれる死亡事故も発生しているらしいです)
物好きの方も重ね重ねご注意を。




それでは日記スタート。


以前、BMWを買った不条氏に 酷道行ってみるかー? と冗談で言ってみたところ
乗り気のようで「和歌山当たりがいいな」と返事が返ってきた。
和歌山を有する紀伊半島酷道険道の宝庫。

酷道未経験者の不条氏と行く前に、一度行きたいところがあった。
それが件の日本三大酷道たるR425でした。
初心者といきなり所要時間8時間の酷道全走破はキビシイだろうからね。
かくして、氏との約束を果たす前に単身紀伊半島を目指した。



金曜日の夜0時過ぎに家を出て、紀勢自動車道の奥伊勢PAに車を止めて車中泊
日が開けてからPAを出て、1時間半ほど車を走らせ三重県北牟婁郡海山町(きたむろぐんみやまちょう)の道の駅海山で朝ご飯。近辺でガソリンも満タンにし準備OK!
小雨のぱらつくなかですが、R42号とR425との分岐交差点的場からスタートです。




国道の起点から見ての通りの惨状です。
一車線になるばかりか、一方通行+左手側にはお墓のオプション付きです(笑)




尾鷲をスタートし30分程で三重と奈良の県境に到着。

すでに道中素堀の見え隠れする一車線のトンネルを幾つか越えています。
この「一車線トンネル(離合困難)」はR425の標準らしくこの後も何個も出てきます。



道を進み、白谷トンネルを抜け下北山と十津川村の境に付いたのが11時45分。

此処で昼飯。


さらにぐいぐい進んでゆくのですが
十津川の温泉施設「昴の郷」を越えてまもなく時間通行止めに遭遇。


13時半頃に付いたのですが14時10分から10分しか通れないため
40分ほど足止め。仕方ないから寝て待つことに。




工事区間を抜けから、奈良和歌山の県境を含む部分は林道上がりの部分。
至る所に落石注意の警告があり、赤字に白抜きで「この区間転落事故多発気をつけて通行してください」って看板も多数あります。


で、コレが県境。酷いと有名な牛廻越(うしまわしごえ)です。


にしてもこの道は道路の行き先表示を見ると萎えるんですよね。
行き先が上も下も2桁以上距離がある。



五條105km
新宮88km


ってな具合にね。


町中でも案外見るから、別に取り沙汰して言うほどではないと思うかもしれない。
しかし、此処は別。
五條や新宮に着くまで街は一切無いからだ
あっても小さな集落ばかりで、本当に何もない。



和歌山に入り終点の御坊市に近くなると
道の状態が徐々に良くなってくる。
トンネルを掘りバイパス工事をしていたり、橋脚を作っていたりと改良工事のまっただ中。
最終的には2車線の走りやすい道路となり、終点にたどり着いたのは17時20分でした。



人より多くの酷道険道を走ってきた自信はありましたが
これ程までに狭隘路が続く道は初めてでした。
7時間半走った内、快走路は御坊市付近だけで
合計時間にすると1時間ありません。
普通は広いところがあったり、狭いところがあったりと
メリハリがあるものなのですがね。
延々と中央線のない道が続き、景色もほとんど一緒ですからね。
これ程まですべてが酷道なのは初めてです。



そんな感じのR425でした。
おわり