目に見えなくなれば、心から消えてゆく

「去る者は日々に疎し」
親しかった者でも、別れ遠くに行ってしまうと、次第に交情が薄らいでしまうものだ。と言う意味。



ちょっともそっとも寂しいこの言葉が嫌い。
なぜなら、全くもってその通りだからだ。



別に物理的距離だけが問題じゃない。
近くに居る人だって、声をかける事が出来なかったり、話かける頻度が少なくなると心の距離が遠くなる。
そうなると、段々とその人のことを忘れていってしまう。
遠く離れると情が薄くなるのは当たり前…といか当然。
でも、できる事なら
仲の良い人とは今後とも付き合って行きたいと思うし、
好きな人達とは疎遠になりたくない。
それは、とても悲しいことだから私は忘れたくはない。




だけど、いろんなキョリが生まれて、
自分の中でその人のことが希薄になり、やがてほとんど思い出さないようになってしまう。
忘れてゆくのは仕方がないこと。記憶が薄らがない人などいない。
どう抗っても、忘れてゆくことを止める方法は無い。





実に的確に自然の摂理を表しているこの言葉が嫌い。









出会いがあれば別れが待ちかまえている。
別れなき出会いなど存在しない。
だから会う度「この機会は今しかない」と心得ていたい。
やがて離ればなれになって終わりをむかえようとも、
すっかり忘れて心から消えてしまうのではなく、記憶をとどめておきたい。
あわよくば、その縁を大切に想う心を相手にも持ち続けてもらいたい。






旧交を大事にし、いつまでも忘れずにいてくれる人はありがたい存在で、感謝しないといけない。
そう思っている。