ちょっと聞いてくれよ

ちょっと聞いてくれよ('A`)
どうしても今日はコレを聞いてくれねぇと気がすまねぇんだ。
そう、あんただよあんた。あんたに聞いて欲しいんだ。





今日と明日の2日にわたって研修に行きます。
その名も「業務改善研修」。
日常の業務をどのように改善すれば事務の効率化やサービス向上を図ることができるのか、
その手法を演習形式でわかりやすく学ぶ事が目的らしい。
こういった、人材開発研修というのは、本人にその気さえあれば非常に有意義なものとなります。
こいつに参加したのはいいんだが…‥‥





異動してまだ間もない頃「だるま落としの研修受ける?」と先輩が藪から棒に切り出す。
だるま落としが研修に結びつくはずもなく、きょとんとしている私に、
業務改善研修であること、
今から担当する仕事というのは、仕事の能率化・顕在する問題・これから起こりうる出来事に対策を考えてゆくことなので、
非常に役立つものであると熱心に語ってくださった。
なんでもだるま落としは研修中に使うらしく、とてもおもしろいらしい。
自身は研修の参加に熱心でない(なぜなら座って話を聞いていたら確実に寝てしまうからだ)ため、
受けるつもりなど無かった。
受けた事があるなら参加する必要はない、と語るその顔には「参加しろ」と書いてある。俺にはそう見えた。
はぁ、と生返事を返し、申し込み用紙を受け取ってその場は有耶無耶になった。
いや、有耶無耶にしたつもりでいた。
概要も読まずに机に置いていたら、紙無くなってたしな(笑)



この応対が駄目であったと確信したのは、1週間ほどしてからであった。
朝、机の上に1枚の紙が置いてあった。
果たしてその表題たるや「業務改善研修 受講申込書」。
ご丁寧に所属や受講日まで記入されたそれは、明らかに私の筆跡ではない。
先輩は、他人の研修申し込みしたのは初めてだと笑っておられたが
無論私も他人に研修を申し込まれたのは初めてである。



こうして研修に参加する事が決まった。
いささか不本意な形であるものの、研修それ自体には興味がある。
企画立案は苦手分野だし、アイディアや創造性のかけらもない自分には役立つと思ったから。
その時は、しゃーないから受けようといった心づもりであった、
しかしながら、日々の業務に忙殺され研修は忘却の彼方に追いやられることとなる。




で、昨日。
「事前課題の提出が成されていない」と私宛電話があった。
課題といえば大げさに聞こえるが、なんてことはない。
A4用紙に、今の仕事について改善したい事答えればいいだけ。
しかたがないので、一言「わかりにくい。(すべてにおいて)」(原文のまま)と書いてコッソリFAXを送っておいた。
めっちゃわかりやすく(全部ひらがなだし)端的に答える。
わかりにくい事をわかりやすく。これがまさにどくりんごの真骨頂…




とまぁ、屁理屈こねながら今日を迎えたわけだ。
無論、研修の概要など読んでいない。
とてもフレッシュな気分で研修所に行った。




違和感を感じたのは参加者名簿を見たとき。
私の名前横にだけ一般公募って書いてある。
どういうことだ、他の連中は特殊私募だとでも言いたいのか?


特定少数を集めたとでもいうのだろうかと席に着く。
一息ついて、周りを見渡すと、それは現実であったと気がつかされた。
見たことあるような顔が其処にも此処にも彼処にもある。
こいつらは揃いもそろって採用3年目の連中だ。



私は採用3年目研修の一環である業務改善研修に一般公募という形で参加していたのだ。
要するに、3年目の人たちが「うわー久しぶり!」「元気してた」だの久々に顔を合わせる同期と和気藹々としているなか
ぽつーんと独り、見た目年齢(推定)35のおっさんが混じってるわけだ。
いわば異分子である。
そうだと知っていれば始めから参加するつもりはなかった…‥
なぜしっかり概要を読んでなかったのだろうと後悔の嵐です。


なんでも曖昧にせず、分からない事が無いように注意してくだされ…‥‥






研修後、職場に戻ったら机の上に「FAX送信エラー」って紙が置いてあった。
エラーノタメ送信デキマセンデシタ の下には、私の字で
わかりにくい。(すべてにおいて)って書いてある。


「?」マークを浮かべて立ちつくす私に天からお声が。



「みんなそれを見てましたよ」







うわああああああ