命短し恋せよ乙女


一日の大半を、黒板と対峙し教師に顔向ける生活を終え、
仕事をして給料を貰うようになって早5年。
短いのか長いのかは人それぞれだが
24年生きてきた中の5年間……つまり、約2割もの時間を占めるのだと言われたら
「長かったのだ」と思わずにはいられない。
5年って、確かに長いように聞こえるかもしれないけど
当の本人にとっては、あっという間だった。
働き始めて早々にこわい部長に怒られた事とか
己の無知に起因する数々の失敗や、
悲しい出来事に涙した事も昨日のことだったように思い出せる。
鮮明に当時の心情がよみがえるとはいうものの、
5年の歳月経た自分は、学生の頃とは比べようもないほど年をとった。



ほら、よーく覚えてる頭で高校生の頃を思い出してね。
学生の当時持っていた「24歳の人」の印象はどんなでした?




働き出して5年目の24歳の私の中身は、学生の頃と全く変わらないのにね。




こんな調子で次の5年が終わっていて、また次の5年を迎えるんだ。
しかし気持ちは相も変わらずガクセイんときと同じ。
外身ばっかり老けてゆく。






命短し恋せよ乙女
紅き唇あせぬ間に
熱き血潮の冷えぬ間に
明日の月日は無いものを


命短し恋せよ乙女
いざ手を取りてかの舟に
いざ燃ゆる頬を君が頬に
ここは誰も来ぬものを


命短し恋せよ乙女
黒髪の色あせぬ間に
心の炎消えぬ間に
今日は再び来ぬものを



   ゴンドラの唄