ビックリしたわ

電車に乗る。
とりわけする事が無いので手持ちのマンガをみてた。



真剣にページをめくっていると
前方から



「どくりんご」



と、敬称をつけるでもなく名前を呼ばれた。
不特定多数の人間が腰掛ける電車の座席である。
その上、下を向いて顔も満足に確認出来ない人間に誰何もせずに
私だと特定し、名指しで呼びつけるヤツだ。
私の知りあい   それも結構親しい部類   には違いないだろう。




どこから出ているのだと思わず問いただしたくなるカン高い声。
女ながらに私を凌駕する長躯。
小さな口に分厚い下唇。
メガネをかけたそいつは、紛う方なしお知り合い。
高校の時分には「離婚しようかなコンビ」とひとくくりにされ、
しばしば嘲弄されていた同級生が立っていた。
実に3年ぶりの再会である。



「おー、やっぱりそーか。どっかで見た事ある顔があるなーと思って。」
デカイ体に似合わず、甲高い声を発しながら私の隣に腰掛ける。


大学卒業してからどうしてるとか、
職場のしっかりしない上司のハゲ頭を何度かかち割りたくなった(←彼女の職場ね)とか
下らんことを話していました。。



画材屋に木炭を買いに行くとの事だったので
私はホイホイ付いていくことに。



もう少し時間に余裕があれば、茶ぐらい飲めたんだが
人と会う予定があったので、画材を買うのを見届けてからサヨウナラをしました。





や、それにしてもビックリしたわ。