アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

以下ネタバレです。

精神遅滞障害をもつ主人公。
チャーリー・ゴードン
何でも忘れてしまうチャーリーは
「勉強してかしこくなりたい」
と、子供の時からずっと思っていました。

ある時、チャーリーは手術を受ける機会を与えられました。
まだ実験段階なのだけど
その手術を受けたネズミのアルジャーノンは
とても賢いのです。

チャーリーは手術を施され
高い知能を身につけます。
短い期間で天才と呼ばれる領域に至ります。
しかし、急激な変化は人間関係に大きな変化をもたらします。
事情を知らない周囲の人達は、気味悪がり、おそれます。
手術した先生も、彼の鼻持ちならない態度を疎みます。
彼は勉強して、様々な言語を身につけ
世界中の様々な知識を吸収したけど、
彼はひとりぼっち。
望んだ通り勉強できるようになったのに、
孤独になってしまった。

同じ手術を受けたアルジャーノンに変化が起こります。
驚くことに、アルジャーノンの知識は急速に退行していったのです。
聡明な彼は、この出来事から
自分のたどる道を理解しました。
この手術は根本的に問題があったのです。
彼に残された時間はもうほとんどないのです。

アルジャーノンは死んでしまいました。
そして、彼も退行してゆきます。
知識を会得するために必要とした時間の、倍のスピードで。
元に戻ってゆくのです。

否

天才の彼が経験した
愛や孤独
喜びや悲しみや憎しみ。
退行したチャーリーは、今までのチャーリーではありません。

きっと彼は友達が欲しかったのです。
賢くなって人並みになることで、友達ができんるだってね。

さようなら。
チャーリーは遠くに行ってしまう。
でも大丈夫。

『どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください』