祖国とは国語
- 作者: 藤原正彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: 文庫
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昨日家に帰ると、食卓に何気なく置いてあったこの本。
本を手に取ると横に居た父が言う。
「それ面白いから読んだらええで」とな。
んな訳で、今日の帰りの電車で読んでいたのですが。
非常に興味深い内容である。
タイトルから想像に難くないが、教育論
とりわけ、今日における国語教育在り方を嘆く。
そして、祖国語たる日本語教育の必要性・重要性を説き
あるいは日本語の内包する美しさ、「もののあわれ」に見られる情緒。
そして、成長過程における言葉のアイデンティティを言う。
いまちょうど「ゆとり教育について」の付近まで読んでいるのですが
私の興味のあるジャンルなので、すらすらと読める。
作者は今のゆとり教育…むしろ「国語軽視」な教育を大変嘆き
将来の日本を危惧しているのだなと伝わってくる。
文章を「読まぬ」「書かぬ」では、文書は到底上手くなる筈もなく
また、語彙も増えない。
ある表現をするのにも単調になり、含蓄を含まない、全く単調でつまらないものに為ってしまう。
コレでは、言語に依存する思考をとる私達にとっても
言葉が平坦で面白みの無いものになってしまう。
只、意志を伝えるだけの、伝達手段としての国語しか見ていないからこのように為ってしまったのであろう。
つまり「話す」「聞く」だけの意志疎通法として国語教育をしているのである。
それは、本来言葉が持つ様々な意味を放棄してしまっているのではないかと
言うのである。
興味のある方は是非読んでみるがよろしい。
おすすめの一冊である