本気で言っているのか…?



 豆腐にかすがい、馬の耳に念仏、暖簾に腕押し、ぬかに釘、蛙の面に小便。




いずれも「何の手応えもなく、やっても意味のないこと。張り合いがなく、効き目も無い」事の例えですが。
実際、この広い世の中 これに該当する人物というのは
少なからず存在する。
果たして、この私の斜め後ろにデンと構えている彼もまた
こういった人物なのである。






例えばこうだ。





①当時採用されたばかりの私、彼の仕事内容が何か知りたかったので、質問してみる。
「Yさんの仕事って、(どんな内容をしているか興味があるので)どんなだか教えていただけますか?」
   


    と尋ねると必ず。



 『いやぁ〜、まぁ〜チョットね。 へっへっへっ』


           と返事される。








②課の飲み会の席で。
新年会や忘年会、送別会といった課で行うイベントがある。
で、当のY氏も参加しているのだが、一人だけ浮いていて、
誰とも喋らず、お酒を飲んでいる。


  私が興味本位で声をかける 
「Yさん、今日はお一人なんですか」と、すると



 『いやぁ〜、まぁ〜チョットね。 へっへっへっ』

 
           と返事される。ここで話が止まる。








③休み明け、さりげなくお土産を持参するY氏。
きっと何処かに旅行したんだなと思い、声をかける。


 
 「Yさん、何処か旅行に行ったんですか?」


 『いやぁ〜、まぁ〜チョットね。 へっへっへっ』




 「良いですね、連休使って旅行なんて、とっても優雅で。」



 『いやぁ〜、まぁ〜、アレやで、アレね。 へっへっへっ』




          とのやりとりになる。
          ぶっちゃけ意味分からん。









 こんな彼が、今日の内示で
移動する事が決まった。



諸手を挙げて……と思っていた矢先が、
こんな係長と課長のひそひそ話が聞こえてきた。


係長「まだ決定じゃないですけど、Yさんの仕事はどくりんごに引き継がそうと思ってます」







   


…マヂデ…?