納得したんだ…


 今日の講義。
先生の説明を聞いて妙に納得してしまったのだ。


ゲーム理論についてなのだが
その一例、「合理的な豚」について。


前提:
・大小2匹の豚が同じ檻に入れられています。
・檻の片隅にレバーがあり、どちらかの豚がそれを押すと、檻の反対側の隅に穀物6単位(例:リンゴ6個 や バナナ6個といった具合)の餌が与えられる。
・レバーを押しに行った豚は、穀物0.5単位分の労力を使う。
・どの豚も、「レバーを押す」か、あるいは何もせずに餌の出口で「待つ」かの、どちらかを選択できる



この状況を作り出し、実際に檻の中に大小2匹の豚を入れる。
このとき
  大の豚について:大きくけんかに強い。ただし動きが鈍い。
  小の豚について:ケンカに弱い。ただし小さいため素早い。




事前予想としては、単純に強く大きな豚にとっては
餌を勝ち取ることが容易であると推測された。
しかし、実際に実験すると下記の通りであった。





実験中に起こりうる状況:
(1)小さい豚だけがレバーを押しに行った場合
  →小さい豚が餌にたどり着く前に、大きい豚が全ての穀物を食べてしまう。


(2)大きい豚だけがレバーを押しに行った場合
  →小さい豚が5単位を食べたところで、大きい豚が餌にたどり着き、小さい豚を押しのけ、残りの1単位の穀物を食べる。


(3)両方の豚がレバーを押しに行った場合。
  →小さな豚の方が早く餌にたどり着き、2単位の穀物を食べたところで、大きな豚が餌にたどり着き、小さい豚を押しのけて残りの4単位の穀物を食べる。

  
(4)どちらの豚もレバーを押しに行かない場合。
  →どちらの豚も餌を食べられない。




 実験開始直後は別として
何回か繰り返し試行錯誤してゆくウチに、合理的な結果に収束してゆく可能性がある。





☆実験を繰り返すと殆どが、下のパターンで落ち着く。
   大きな豚がレバーを押し、小さい豚は餌の出口で待つ(上記のパターン2)




☆個々の豚の思考プロセス。


⊿大きな豚
(鄯)小さな豚がレバーを「押す」を選ぶと予想されるとき→大きな豚の最適反応は餌出口で「待つ」
(鄱)小さな豚が餌出口で「待つ」を選ぶと予想されるとき→大きな豚の最適反応はレバーを「押す」
     ∴大きな豚は小さな豚の行動により、自分の行動を変化させる必要がある。



⊿小さな豚
(鄴)大きな豚がレバーを「押す」を選ぶと予想されるとき→小さな豚の最適反応は餌出口で「待つ」
(鄽)大きな豚が餌出口で「待つ」を選ぶと予想されるとき→大きな豚の最適反応は餌出口で「待つ」
(このとき、小さな豚がレバーを押してしまうと、大きな豚に全ての餌を食べられてしまい、小さな豚は餌を食べられないばかりか、レバーを押したために0.5単位を消費する事となるため。)




     ∴小さな豚は(大きな豚の行動の如何にかかわらず)餌出口で「待つ」ことが合理的である。
小さな豚が自己に不利益になるため、全くレバーを押さない。
押さずにいるため、大きな豚の最適反応は、前述(鄱)とおり、レバーを「押す」である





☆大きい豚だけがレバーを押しに行った場合のそれぞれの穀物単位取得量。
小さい豚が5単位を食べたところで、大きい豚が餌にたどり着き、小さい豚を押しのけ、残りの1単位の穀物を食べる。

   
   豚小:5単位穀物
   豚大:1-0.5=0.5単位穀物*1





すなわち、小さい豚が殆どの餌を食べてしまう。
この実験の場合、小さい豚の弱さが強みとなる
     




この実験を回答するキーは記述していないので
おのおの暇な方は考えて欲しい。





 

*1:残りの1単位穀物を食べるが、レバーを押したために0.5単位の穀物分を消費するため。