平等

 何でも「平等に」とおっしゃる今日この頃の社会だが
果たしてそれは平等に価するのだろうか。
 

「平等」には二種類あると私は思う。

  1. 水平的平等
  2. 垂直的平等

    の二つだ。

 前者は物質的な平等。つまり、同じ数・同じもの同じように与え搾取する事。
 後者は質的平等。その人の置かれている状況・場所・過程を考慮し、与えたり搾取したりするもの。
現代は前者が行き過ぎた「平等」を作ろうとしているとしか思えない。
 
 わかりにくいので例えを出してみよう。
Aさんは月100万円を稼ぎます。に対し、Bさんは月に10万しか儲けることが出来ません、という設定を作る。
AさんBさんが同じ10万円の時計を買ったとしましょう。
10万円の消費税は現在のところ5000円。
ですが、同じ5000円ですが、この二人からは「5000円しか」と「5000円も」と、見方が変わるでしょう?これが水平的。
それぞの人から同じように「同じ金額を一律に」5000円集めているから「等しく同じ」と言う考え方。
に対し、この二人の所得税はどうでしょうか。
所得税累進課税制度なので、AさんはBさんより沢山税金を納めなければなりません。
これは「同じ金額一律に」集めるわけでは無いが、もう一つの平等と言う形だ。


 人間一人一人違う家に違う顔で生まれ、違う環境で育ち、違う性格を形成し、2つとない違う一生を送っているのだ。
個人の中身を見ずに、ただ「みんな一緒に、みんな一緒に」と言うのをオカシイと思うのは当たり前ではないか。
しっかり個人を見て「垂直的平等」を目指して欲しいと私は思う。