空蝉


別れる時の挨拶で「さようなら」ってのがあるが、
なるべく使わないようにしている。
目上の人に使わないのは当然だけど、
同輩や後輩は勿論、親しい人なんかに挨拶するときも意図して使わない。
なぜならとても袂別(べいべつ)な言葉だと思うからだ。


田中英光も自らの短編小説(※注)において
「さようなら」とは、さようならなくてはならぬ故、お別れしますというだけの、敗

北的な無常観に貫ぬかれた(中略)言葉だ。
と言っている。


言葉本来の意味と合っているかは別にして、私もそう思うからだ。




普段は「(じゃぁ)また明日」とか「またな」とか
次も何処かで会おうというニュアンスを含ませた言い方をしてる。
だって「さよなら」は離別の言葉。「もう次は無い」って宣言しちゃう気がして嫌なんだな。
だから意図して使わない。


もし仮に使うとしたら、今の境遇や気持ちと決別したい・しなければならない時に使うかなぁ。
「きっぱり別れなさいよ」と自分を説得するために言うの。
ちゃんと口にして「はいココまでだよ」言い聞かせる。
それが  さようなら。
意志の弱い自分は、
言葉の力を借りないとそれができないからな。




結局、私の「さよなら」ってのは
もうお前らとはあわねぇ! って袂別の意ではなく、
自分を誘導するためのツールとして使ってるワケだ。




ま、嫌いな奴に言う さよなら は「二度とくんな!」だがな(笑)





何を書いてるのか、さっぱり意味わかんねー…‥‥‥。