お通夜


今は物言わぬ貴公へ。



 思えば、違う課の貴公に
一番世話になったのは私ではなかっただろうか。


新採*1で右も左も分からなかったあの時分。
貴公は、私にとって心強い存在だった。
どんな無理を持掛けても
冗談と快い返事で、卒なくこなしてしまう貴公に
感謝と同時に、畏敬の念を抱いたものだ。



今考えたら、
一番最後の大きな仕事を一緒にさせてもらったのは私でした。
足掛け一年の大きな仕事。
この計画は貴公抜きでは実現しなかったと私は思う。


事実この期間は、貴公の

口から

態度から


感心し、学ぶ事ばかりであった。



こんな貴公と、こんな形で対面しようとは
一体誰に想像出来ただろうか。



今はもう
開く事の無い目・無い口で貴公は何を見て、何を伝えたかったのだろう。


今後この先未来永劫
私が生きている間、あなたの死に納得は出来ないだろう。
そこには只事実があるのみ。


今はその事実を受け止めよう。
そして、私がそちらに向かうであろう、数十年後
真実を教えて下さいね。


何時か来たるその時には、必ずお会いしましょう。
土産話をたくさん持っていきます。




やすらかに。



  平成18年2月21日

*1:新規採用