冬至

 冬に至る此の日。
夜が最も長くなる彼の日。
暦に負けまいと、天候も頑張ってしまうのだから性質が悪い。



しろ、シロ、白。
もちろん、犬のパレードではなく、舞い散る水の結晶達。
かくも、降り積もるとは…


朝起きたとは、前評判を裏切る普通の朝。
期待してたわけでは無いけれど、拍子抜けとはこの事。
ごく日常の朝を迎えたに思えたが……‥



仕事に向かうべく、鞄に弁当を詰め込もうとしたその時、天から掛かる声。


『あんた。傘持って行きや。外白いで!』


なんですとッ!

つい30分前はなんともなかったぢゃないか…
「大概にせぇよ」
と、心の中で毒づきながら、傘を片手に開ける扉。



そこには、この地方ではメッキリ見なくなった、非日常が広がっているではありませんか。


なんか吹雪いてるぞ( ゜Д゜)ゴルァ!



この寒空のした、電車を待つだけで地獄。
風が冷たいのなんの。
勘弁してください。


いつもより、気持ち遅く来た電車。
乗り込んで座るも、やはり気になるのは、外を賑わす雪の舞い。
どうやら、気になるのは私だけでは無いらしく、向かいのイスに座る4人のオッチャンが、総左に習え。
雪が気になって仕方がナイヨウデス(笑)




降雪により、普段より5分程遅れ、着く事務所。
やはりココでも雪の話題で持ち切り。
皆、密かに笑みをうかべ
『電車止まるんちゃうん』
とか
『お前(家が)北やから、夜帰れるんか?』
とか
『ココに着いたときは、まだ何も降ってなくて、普通やったのにな』
などなと。
実際、20分も経たないうちに、辺りが一面白く変わってしまったのだから無理もありませんけどね(笑)


皆、一様に雪の話題一色で、まるで子供みたいな感じでした。




かく言う私。
奥の道、路地裏のバージンスノー。
歩道に残る新雪部分を、傘を片手に楽しく踏み締め、散歩して来たのでありますが…‥


非日常も、なかなかオツなモンです。